宝達山は、石川県と富山県にまたがる標高637メートルの山で、能登半島の最高峰だ。東京スカイツリーより3メートル高い山頂からの眺望は絶景。秋には日本列島を旅するチョウも飛来するという山の魅力を求めて登った。
山頂への唯一の登山路は「こぶしの路(みち)」と呼ばれ、案内板を見ると道のりは4・5キロ。5月初旬、ウグイスやヤマバトの鳴き声が響く中、木々の間をぬうように、ひと一人が通れるほどの幅の山道を歩く。
初心者でも約2時間で山頂広場に到達できる手頃なコースだ。すれ違う登山者に宝達山の魅力を聞いた。かほく市の会社員堀端匡(まさし)さん(45)は、「整備されていて、歩きやすい。たまに来たくなる山」という。日本百名山にも登るという津幡町の寺田嘉明さん(66)は、「足慣らしには手頃な山です」と好評だ。
山頂広場には、昨年リニューアルされた木造の休憩施設「山の龍宮城」がある。2階のテラスからは石川県側の田園風景や日本海が広がった。さらに10分登ると、山頂に到達。富山県側の平野や、立山連峰の冠雪を一望できた。春の新緑と、眺めを堪能した。
案内板に、気になる記述を見つけた。「旅するチョウ アサギマダラ」。アサギマダラは、季節によって2千キロ以上の旅をすることで知られるチョウだ。毎年9月ごろに宝達山頂に飛来するという。薄い青緑色の羽が美しい。
山頂広場の一角には、アサギ…